生活的答案

旅行記録ブログ

長沙の夏休み日記 その1

日記というか、ほぼ何食べたかの記録です。

 

2019年の7月。この頃わたしは半年の留学ビザを取って上海で生活していたのですが、そのビザの期限が3週間後に迫っていました。そんな時に南寧で知り合ったAちゃんに「ビザが切れる前に遊びに来なよ!」とのお誘いが。出会った時は南寧で仲間とレストランを経営していたAちゃんはその後さらに事業を発展させ、今度は仲間たちと民宿の経営にも乗り出すところでした。その民宿の理想的な物件が見つかったのが、なんと南寧から900キロ離れた内陸部湖南省省都・長沙。

「今は仲間たちと寝泊りしながら開業の準備をしているからお客さんもいないし、もう何泊でもしちゃって!」と言っていただき、とことこ長沙まで出かけてきたというわけです。

 

 

いざ長沙へ

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硬座。3人掛けのボックス席

切符の引き換えに思いがけず時間を要してしまいなんと予約していた寝台列車の改札時間にギリギリ間に合わず、後発列車の硬座(普通席)で16時間乗ることになってしまいました。耐えました。

 

そして16時間後、長沙駅に到着です。いやあ疲れた〜。

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長沙駅の出口

夏の長沙、とにかく暑いです!暑いだけでなく、日本の夏以上の湿気を感じました。蒸し上げられてしまいそう。駅の隣にあるマックへ慌てて避難です。

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入店したら店員に取り囲まれて、言われるがままにマックの会員登録したらソフトクリームを貰った

涼んで腹ごしらえもしたところで、活動開始です。

 

 

1日目 再会と焼肉

Aちゃんたちの民宿があるのは長沙の中心部から程近い、それでいながら風情のある地区です。地区の入り口にある立派な門を潜り、汗だくになりながら道を進みます。

石畳のような細い坂を登った先に民宿はありました。

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民宿に続く坂道

坂を登り切ると、民宿の前でAちゃんが待ってくれていました。実に2年ぶりの再会でしたが、「久しぶり〜〜!!元気〜!?」という再会の喜びもそこそこに「疲れてるでしょ!お風呂入って寝な!!!」とお気遣いいただいて、早速シャワーを借りて冷房のついた快適なお部屋で休憩させてもらいました。相変わらず姉御肌全開です。昨日列車でろくに眠れてなかったこともあり、布団に入るなりグーグー眠りました。

 

民宿は翌月のオープンに間に合うよう施工業者も出入りして絶賛改装中。滞在中は先に修繕工事を終えた客室を使わせてもらいました。客室にも共有部分にもレトロな中華雑貨がセンスよく飾ってあり、とってもおしゃれな古民家民宿だったのですが当時のスマホを紛失してしまい写真が残っておらず…お見せできなくて残念です。

 

夕方頃に起床。すっかり体力も回復しました。そして「みんなで夕飯食べに行こう」ということで、一緒に民宿を運営するBくん、Cくんも含めて焼肉を食べに向かいました。

Bくん…Aちゃんとは長年のビジネスパートナーであり、私も2年前に会っている。口数の少ない職人気質タイプという感じ。でも気心知れたAちゃんとはくだらないことでワーワー揉めては即仲直りを繰り返している。

Cくん…私は今回が初対面。もともとA&Bのもとで仕事をしていて今後は民宿のスタッフとして勤務予定の青年。とても気遣い屋で優しい。

 

ビールで乾杯して肉をつつきながら和気藹々とお喋りします。お酒も入ったことで、Cくんとはすぐに打ち解けることができました。Bくんは相変わらず寡黙ですが、「好久不見了!!!(久しぶりだね!!)」と拙い中国語で話しかけたらブッと笑ってくれたので、よしとしましょう。

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おいしい焼肉

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自撮り。ジョッキが大きかった。

この焼肉屋さん油よけのエプロンの柄が独特で、Aちゃんと私にはピンク色のセーラー服柄、BくんCくんには青いタキシードのような絵柄のエプロンが配られました。セーラームーンとタキシード仮面的なイメージでしょうか。おふざけな柄はお店側のちょっとしたジョークだとは思うのですが、中国にいるとこういう「男は男で女は女」的な無邪気な振る舞いに遭遇することがちょくちょくありました。日本でもあることでしょって気もするけど、なんていうかとにかく無邪気なんですよね。AちゃんとCくんは無言でエプロンを交換していました。

 

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長沙の繁華街

その後Aちゃんと喧嘩したBくんは帰宅して(この2人は息をするように喧嘩をしては仲直りしているので気にすることではない)、3人で夜の長沙の繁華街へ遊びに繰り出しました。太平路というメインストリートで名物の臭豆腐の店などを案内してもらいました。「ここが太平路だよ。very peaceful street。」 と言われたのがなぜか忘れられない。確かにそうだけど。

食べ歩きを楽しんで宿に戻り、ぐっすり眠りにつきました。

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臭いけど美味しい臭豆腐

 

2日目 謎の外国人

移動と遊びの疲れで爆睡していたら、ドンドンドンドン!!!!!という激しいノック(というよりも扉を殴打する音)で目が覚めました。

私が使わせてもらっている部屋は1階の玄関側の部屋で、他の3人は上の階の従業員スペースで寝起きしているので音に気付いていない様子。携帯に連絡を入れても返事がありません。

あまりにしつこくドンドンするので緊急事態なのかと思い玄関を開けると数名の中年男女が立っていて、すごい剣幕でワーワーと何かを言ってくるのですが早口&方言で容赦無く捲し立ててくるので殆ど何を言ってるのかわかりません。かろうじて「家主を出せ!」「〜〜が壊れた!」と言っているのは分かったのですが、ここは一旦お引き取り願うのが良さそうだと思い「家主は不在で…」「私は何も分からないんですよ…」と伝えてどうにか一旦引いてもらいました。しかし数分するとまたドンドンドンドン!!!とやってくる。また拙い中国語で説明して引き下がってもらう…。そんな攻防を繰り返していたらやっとAちゃん達が起きてきました。

 

Aちゃん曰く彼らは近隣住民らしく、民宿の工事のことで何かと苦情を寄せてくるとのことでした。詳しい理由はわかりませんがこの民宿は近隣住民から目をつけられているようで、彼らはその後も度々やってくることがありました。

何にせよ不満があるからって朝から騒がしくしないでよね〜!と思ったのですが、向こうからしても文句を言いに威勢よく乗り込んだのに何も解さない謎の外国人が出てきたんだから、かなり困惑したことと思います。

 

その後は静けさを求めてスタバへ移動して仕事。スタバは世界中どこに行ってもスタバなのでお洒落で静かで…と思いきや、カウンターの死角になる席で明らかに外で買った串料理を囲んで宴会しているオッサンたちがいた。なんてことなの。

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この左側で、串盛りパーティー

 

仕事を片付けたあとは長沙の街を散策。緑が溶け込んでいて素敵な街並みです。

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路地が多くて散歩が捗りますが、暑すぎて若干脱水っぽくなってしまい部屋に戻って休憩。

 

夕飯はAちゃん、Cくんと日本料理を出す居酒屋へ行ったのですが、よく見たらS&Bじゃないワサビがナイスでした。

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E&S

 

ご飯のあとに超絶映えスポットなレストランに立ち寄りました。80年代の長沙の街並みを完全再現しているそうです。ここはザリガニ専門レストランなのですが、大人気映えスポットということもあり長蛇の列だったので見学だけして帰りました(オーダーしなくても出入りは可能)。街並みといい、長沙はレトロ推しですね。

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大賑わいのレストラン「文和友」

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屋内だけど、本当に街みたいでした

 

最後にショッピングモールに立ち寄ってお買い物。当時絶賛公開中だった名探偵ピカチュウのぬいぐるみが売っていましたよ。私も上海の映画館で観ました。このぬいぐるみ、ちゃんとモフモフしていてなかなか再現度が高いです。ちなみに中国語だとポケモンは口袋妖怪、ピカチュウは皮卡丘です。字面があんまり可愛くないですね。

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皮卡丘のぬいぐるみ

 

 

3日目 市場へ行く

※動物の解体の話があるので苦手な人は読まないでください

民宿で使う食器等の日用品を買いに行くぞ!ということで、みんなで近所の市場へ行きました。中国の市場は何箇所か行ったことがありますが、わりとどこもこんな雰囲気でした。ローカル感満載ですが、どこの店も決済は全てQRコードで済ませることができます。

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野菜売り場

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右側はお肉の店

こういう市場のお肉屋さんはどこもピンク色のライトがついています。肉をより新鮮な色に見せる工夫なのかもしれませんが、この色はどうなんだ…?といつも思います。

 

ここまでは上海でも見る光景だったのですが、衝撃だったのは生きた鳥がそのまま売っているエリアでした。上海に戻ってから知人にこの話をしたところ「鳥インフルの流行以来、上海の市場では生きた鳥の売買は禁止されている」らしいです。

今夜は鶏肉を使うからということでAちゃんがニワトリを1羽オーダーしました。

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鶏、鳩など様々な鳥がいた

注文が入るとその場で鳥を絞めて、一通りの処理をして新鮮なお肉として提供してくれるシステムです。さっきまでそこで生きていた鳥が鮮やかな手つきで食肉にされていきます。私は見逃したのですがAちゃん曰く取り出されてもなお心臓が動いていたそうで、命のしぶとさに勝手ながら少し感動してしまいました。ニワトリからしたらふざけるなよという感じですね、本当に。

 

長沙に限った話ではありませんが、こういうローカルな市場の近くにはだいたい近代的なスーパーもあって、両方が人々の生活を支えているようです。

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長沙のスーパー

以前上海のとある大学の敷地内を歩いていた時、年季の入った三輪車がウソみたいにこんもり荷物を載せて走ってきたと思ったら、その後ろからピカピカ光るセグウェイのようなボードに乗った警備員が走ってきたのを思い出しました。中国のこういう新旧の混沌具合は面白いです。

 

 

その2に続きます。

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